大阪地方裁判所 昭和53年(レ)105号 判決
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【説明】
Yは、Xから一箱入り西瓜三個を代金一九〇〇円で買い受けたが、三個とも腐つていて食べられなかつたとして、Xに対し金一九〇〇円の支払を求めた。原審の阿倍野簡裁はYの請求を認容したのでXから控訴した。大阪地裁は一個だけが腐つていたと認定し、Yに対し代金額の三分の一にあたる金六三三円の支払を命じた。本件はさらに上告審で争われるようである。本件は、XYの意地の張り合いが社会の注目をひいた事件である。
【判旨】
2 被控訴人は、本件西瓜を同時に切つたが、そのうち、最初の一番大きな一個は腐つていると判断して、その場で、流しに捨てたが、他の二個は、冷蔵庫に入れたこと、被控訴人は、直ちに、控訴人方に出向いたが、その際、西瓜が一個腐つていた旨の申し入れをするにとどまり、他の二個については、何も申し入れをしなかつたことに照らすと、本件西瓜のうち、一番大きな一個は、素人目で判断して直ちに捨てるほどであつたから、その品質は、温室ものとしても、他の二個と比べて格段に落ちていたと認めるほかはなく、相当な品質のものであつたとは認めがたいというべきであるが、被控訴人は、他の二個については冷蔵庫に入れ、しかも、これについては腐つている旨の申し出をしなかつたから、被控訴人は、これについては相当な品質のものであると認めていたといわざるをえず、この事実に今井栄太郎らの検査の結果が右のとおりであつたことを総合すると、この二個については、相当な品質のものであつたと認めるほかはない。
3 そうすると、本件西瓜のうち、一番大きな一個については、売買契約の本旨に従つた履行があつたとはいえないから、控訴人は被控訴人に対し、民法四一五条に基づき、この不完全履行によつて被控訴人が被つた損害を賠償する責任があるが、他の二個については、売買契約の本旨に従つた履行があつたから、これが不完全履行であることを前提とする被控訴人の請求は、その余の点について判断をするまでもなく、この部分については理由がない。
(林繁 播磨政明 砂川淳)